FINE™/Marineを用いてA2V社によって設計された超高速、低燃費の空力船

        顧客事例     14.12.2018
著者: Lionel Huetz, CEO, Advanced Aerodynamic Vessels, France
 

Advanced Aerodynamic Vessels (A2V) は、空気力学を利用してエネルギー効率を改善する新世代の高速輸送船を開発し、商業化しました。その革新的な形状は、空気抵抗を揚力に変換します。また、必要な推進力は船体の重量に依存するため、この重量を減らすことで燃料消費が大幅に削減されます。 


​A​2V社は、新世代の高速で燃料効率の高い旅客輸送船を開発し、商業化しました。同社は、翼のようなカタマラン形状を設計して特許を取得しています。カタマラン形状は、速度が上がると空力的揚力が得られ、船舶が軽くなり、必要な動力が削減できます。


 
 

従来の高速船

今日の従来の高速船の速度は、純粋に動力に依存していました。したがって、速度を上げるには必然的に高い燃費を必要とします。経済的および環境的観点から、乗客当たりのコストを考えると、持続不可能な形態です。

 

一方、従来のモノハルまたはマルチハル型の船では、燃費は船舶のサイズに依存します。つまり、船が満員の時に、乗客あたりの燃費効率は最大になるということです。

 

空力揚力によって、高速になればなるほど船は軽量化され、効率化

A2V社は、新世代の高速で燃料効率の高い旅客輸送船を開発し、商業化しました。同社は、オフショア産業、商業旅客海上輸送産業、およびパトロール、監視、救助ミッションなどの用途を想定した、公的機関向けのワークボートを販売しています。同社は、翼のようなカタマラン形状を設計して特許を取得しました。空力によって、臨界速度以上では速度が速くなればなるほど、燃費効率が向上します。

 

「A2V船の燃料消費量は、船のサイズが12〜30メートル、10〜100人の乗客を乗せる条件下で、100 km を50ノット(時速92.6km)で航行する場合は、乗客あたり約9リットルです。一方、最先端のクルーボートは通常、100kmを40ノットで航行する場合、乗客あたり30リットル以上を燃焼します。」(参照:http://www.aavessels.com/concept)

 

数値的な課題

 

このような船舶の設計における課題の1つは、高速航行時の自由表面変形のモデル化です。船体の後部が前部によって乱れた後流の中で動作するため、階段状の船体(ハル)はこれによる影響を大きく受けます。定常状態と非定常状態の両方で、水面効果を伴う空力解析を行うことも課題でした。現実的な計算時間で波の挙動をモデル化するために、A2Vは体系的な空力解析を実行し、その結果を使用して数学モデルを構築しました。この空力解析は、FINE™/Marineのダイナミックライブラリを活用して実行されました。 

 

CFDは、船舶の設計の中核となります。特にA2Vの10.5mプロトタイプの設計における、NUMECAのFINE™/ Marineによるシミュレーションの恩恵は極めて大きなものでした。


 

正確な予測

CFDは、船舶の設計の中核となります。特にA2Vの10.5mプロトタイプの設計における、NUMECAのFINE™/ Marineによるシミュレーションの恩恵は極めて大きなものでした。
フルスケール測定における、測定値と数値解析結果の比較を図1に示します。シミュレーションによる予測は連続線で、測定値はドットで示されています。図1を見ると、数値シミュレーションによる予測が正確であることがわかります。3つの異なる条件下における、速度に対する抵抗力がプロットされています。(1)赤:10ノットの向かい風、(2)緑:無風、(3)青:10ノットの追い風。FINE™/ Marineでは、詳細設計のためにより、詳細な分析をすることも可能です。

 
A2Vプロトタイプにおける速度と抵抗力の関係:測定値とCFD予測の比較
 
 
この記事を共有: