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船体形状設計の最適化
このケースは、大型客船の船体最適化についてです。
目的は、2つの異なる巡航速度と荷重条件における馬力を低減すること、設計変数が目的関数にどのような影響を与えるかを深く理解することです。
NUMECA International 船舶海洋分野のグループリーダー Benoit Mallol |
動機
- 国際海事機関(IMO)は、2025年までに、すべての新規建造船舶のエネルギー効率を、2014年比で30%向上させることを定めました。
- CFDにより、船舶性能を正確に理解することが可能となり、またハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の登場により、シミュレーションのコストが低下しています。
- 船舶はさまざまな作動条件(排水量や船速など)で運航しており、それぞれの条件での性能はトレードオフの関係にあり、すべての条件で性能を同時に向上させることは設計者にとって困難な作業です。
- 船体形状にどのような変更が行われると、全体的な性能と運用コストに影響する可能性があるのかを理解します。
最適化結果
設計最適化は、FINE™/Design3Dに直接連成されたRhinoceros/Grashopperパラメトリックモデルを使用して実行されました。
単一エンジン | 原型船型 | 最適化船型 | 利得 |
馬力 [kW] | 1.299 | 1.116 | 14,08% |
燃料 [L/hr] | 416 | 359 | 13,53% |
結論
馬力が14.08%、燃料消費が13.53%それぞれ削減されます。これは、2台のエンジン(1隻)に対して年間33.4万ドルのランニングコスト節約につながります。
完全自動化された設計最適化を客船に対して実行することで、それぞれの作動条件の出力結果(馬力など)を重み付けした値に対して、大域的最適解を見つけることができるため、トレードオフの調査は極めて容易になります。
プロペラの影響は、オープンウォーターにおけるプロペラ特性を直接実行する拡張されたアクチュエーターディスクモデルによって考慮されます。
データマイニングはサロゲートモデルの精度を検証し、データベースに対するCPU時間の短縮につながります。