OPRA Turbines様の事例:ガスタービンパッケージのガス分散解析と防爆

        顧客事例     12.11.2018

図1:OPRA社のOP16ガスタービンと発電機セット

OPRA社は、定格が1.85 MWeであるOP16シリーズのガスタービンを使用して発電機セットを開発、製造、販売、および保守しています。ケースや要求に応じて、OP16ガスタービンには異なる燃焼システムを取り付けることが可能です。ガスタービン発電機セットは、OP16ガスタービン、燃料システム、発電機、制御システム、吸気および換気システムで構成されるパッケージ(図1)で提供されます。

CFDシミュレーションは、OPRA社の設計プロセスで不可欠な部分です。CFDは、燃焼、ターボ機械、ガス分散分析など、さまざまな分野の流れを分析および最適化するために使用されるツールです。OPRA社は、商用CFDソフトウェアパッケージを補完する目的で、オープンソースソフトウェアであるOpenFOAMを採用しています。適切なメッシュはCFD解析を実行するために不可欠であり、OpenFOAMはそれをかなえる六面体主体のメッシュを作成することができます。また、OpenFOAMにはさまざまなオープンソースメッシュツールが用意されており、これらのツールは、単純な形状に対しては十分に機能します。しかし、これらのメッシュツールは、形状のインポートの制限、直感的でない操作感、およびドキュメントの制限により、産業用の形状に対して運用するのが困難です。


"OMNIS™ meshing toolsは、フルヘキサおよびハイブリッドメッシュ作成、自動メッシュ作成、OpenFOAMへのエクスポートなどの機能を備えた、OPRA社で積極的に採用しているツールです。"


 

NUMECA社のmeshing suiteは、図2に模式的に示すように、OPRA社における設計およびCFD解析におけるワークフローの一部として導入されています。OPRA社は、AutoMesh™のフルヘキサおよびハイブリッドメッシュ作成、自動メッシュ作成、OpenFOAMへのエクスポート機能を必要としており、OMNIS™/Hexpressは燃焼およびガス拡散解析に活用され、OMNIS™/Autogrid はターボ機械に活用されています。

 

図2:OPRA社におけるCFD解析のワークフロー

 

Figure 3: Simplified OP16 marine gen-set enclosure

 

次のケーススタディは、CFD解析でOMNIS™/Hexpressを活用した例です。

プロジェクトの説明:

OPRA社は、船上で使用するためのOP16発電機セットであるマリンパッケージを開発しました。このプロジェクトでは、OP16マリンパッケージのガス拡散解析が必要です。OP16マリンパッケージは、ガス組成とエネルギー密度が大幅に異なる複数の燃料によって動作します。エンクロージャーの換気用空気とガス混合物がLEL(低爆発限界)ボリュームクラウドを形成し、発火源の存在下で発火する可能性があるため、ガス漏れが発生した場合に備え、ガスシステムを含むエンクロージャーの爆発保護をする必要があります。エンクロージャー内での安全性を確保するには、ガス検知器を適切な場所に配置して、起こりうる漏れを特定する必要があります。このエンクロージャーのガス拡散解析の一環として、CFD解析が採用され、ガス漏れによるLELボリュームクラウドの挙動だけでなく、パッケージ内の換気流の挙動も調査されました。

このケースで考慮されるガス漏れは、パイプラインのフランジ、継手、または小さな亀裂から発生する非常に小さな漏れです。ガス拡散解析を実行するために、ガスシステム内で発生する可能性のある漏れ箇所を特定し、これらの箇所での小さな漏れを解析します。CFD解析は2つのステップで実行されます。まず、指定された境界条件で漏れたガスの流れが空気と混合する流れ解析が実行されます。そして、LELボリュームクラウドをキャプチャするために、2つ目のステップのシミュレーションが実行されます。後者のシミュレーションは、パッシブスカラーアプローチに基づいて実行されます。

 


"適切なメッシュは、CFD解析を正常に実行するために必要な要素の一つです。複雑な形状に対する精細なメッシュは、OMNIS™/Hexpressで簡単に作成できます。さらに、軽微なCAD修正もOMNIS™/Hexpressで簡単に行うことができます。"


 

適切なメッシュは、CFD解析を正常に実行するために必要な要素の一つです。図3に、OP16のマリンパッケージのジオメトリに対して作成したメッシュを示します。使用したツールはOMNIS™/Hexpressです。このパッケージは、薄く小さなサーフェス、小さな穴、細いパイプラインを含む複雑な形状をしています。このような複雑な形状に対しては、OMNIS™/Hexpressで簡単にメッシュ作成することが可能で、非常に精細なメッシュを実現します。 さらに、OMNIS™/Hexpressでは多くの機能が自動化されているため、メッシュを生成するための時間をかなり節約できます。また、OMNIS™/Hexpressでは軽微なCAD修正も実施することが可能です。この機能により、さまざまな漏れ口のサイズを持つメッシュを迅速に生成することができました。図4は、ガス漏れ口に対してOMNIS™/Hexpressによって作成されたメッシュの一例を示しています。

図4:OMNIS™/Hexpressによって作成されたOP16マリンパッケージのメッシュ

 

図5は、CFD解析から得られた漏れのLELボリュームクラウドを示しています。赤で示されているLELボリュームクラウドは全てのLELボリュームクラウドを表し、緑で示されているボリュームクラウドはガス検出器の設定値によって検出されるボリュームクラウドを表します。ガス検知器の設定値(緑色で表示)に必要なボリュームクラウドに基づいて、ガス検知器の位置が決定されます。エンクロージャー内でガス漏れが発生した場合、適切な場所に配置されたガス検知器により、漏れが確実に検出されます。

図5:CFD解析から得られた漏れのLELボリュームクラウド

 

NUMECAのmeshing suiteは、メッシュ作成時間を大幅に短縮し、メッシュ品質を改善して、CFD解析そのものを改善しました。

 


著者: Darsini Kathirgamanathan, Gas Turbine Performance Engineer & Thijs Bouten, Principal Combustion Engineer - OPRA Turbines International BV

 

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